さよなら、ありがとう、映画村

映画を自主上映していた団体「旭川映画村」が、28年間続いた活動を終了するというので、取材に伺いました。

これまで上映したのは、いわゆる「単館系」と呼ばれるような作品約140本。映画素材(フィルム又はデジタル)の手配に広報、当日の運営もすべて手弁当で行ってきました。当初は、おもしろいと思って選んだ作品で思うように集客ができずに赤字を出し、メンバーが自腹を切ったことも。そんな中、平成6年に上映した実在するユダヤ人医師が主人公の作品「コルチャック先生」は、会場からあふれるほどのお客さんが押し寄せました。「メンバー内では、その時の利益を密かに〝コルチャック貯金〟と呼んでいて。おかげで以後の活動が随分楽になりましたよ」と明かしてくれました。

私は映画村の上映会でイラン映画やスペイン映画にふれ、見る作品の幅が広がりました。同じような体験をした人も多いと思います。この街の映画文化を豊かにしてくれた存在で、感謝の気持ちとともにさみしさも感じます。数年に一度でもいいので、また復活してくれないかな~などと期待をしています。

広告部 嘉屋

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