143食目 喜〇登

札幌の狸小路に隠れた名店がある。ラーメンの「喜〇登」がそのお店だ。行列の絶えない人気店であることは事前に調査済みだったので、夕飯時より少し早めに店を訪れた。

到着すると店の外には長ネギの箱が積み重ねられている。このお店の売りは、通常盛りでもネギの量が尋常ではないこと。ネギ好きの自分にはたまらないサービスだ。16時なのに3組ほど並んでいたが、回転が早いのですぐに席へと案内された。並んでいるうちに注文を聞きにくるのも効率が良いのだろう。所狭しと飾られた芸能人のサイン色紙を眺めていると、ほとんど待たずに運ばれてきた。

今回注文したのは、やはり札幌と言えば味噌。聳え立つネギの塔に惚れ惚れしていたが、スープの色に少し違和感を覚える。味噌にしてはかなり透明度が高いのだ。すると店員さんから「底の方が濃いのでよく混ぜて下さい」と言われた。まずはネギだけをつまんで一口。辛さは全く気にならず、新鮮な歯ごたえが健康に良さそうなイメージだ。丼の底の辺りをかき混ぜると、スープの色がみるみる濃くなる。スープを一口啜る。ニンニクが強めでちょっと塩味の濃い感じが、自分好みのテイストだ。次は麺にできる限りのネギを絡めて口に運ぶ。黄色い中太縮れ麺の弾力と、ネギのシャキシャキ感が絶妙なハーモニーを奏でる。味噌特有のひき肉が、塊になってゴロゴロ入っているのも最高のアクセントだ。卓上に置いてある辛味パウダーと一味をかけて、味変を試みる。辛味噌仕立ても、ネギとの相性が抜群だ。ボリューム満点の丼は、5分もかからず空に。何度でも食べたくなる最高の一杯と出会った。

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