「夢中で生きた111年間」にありがとう

昨年、敬老の日にちなんで、当時旭川市の最高齢、110歳の前東ヨシさんを取材しました。

ヨシさんが生まれたのは明治41年。その後、大正、昭和、平成と4つの時代を過ごしてきました。103歳で介護施設に入所するまでご自宅で元気に生活されていたほどの方で、お会いした際もベッドからしっかり起き上がり、自分の言葉で力強く話す、まだまだ元気いっぱいのおばあちゃんでした。

そんな取材から約半年、今年4月に届いたのはヨシさんが亡くなられたという知らせ。一つ歳を重ねて、享年111歳でした。取材の最後に「来年にはまた元号が変わりますね。5元号制覇を目指してまだまだ長生きしてください!」とお話していたこともあり、改元目前の訃報に大変残念な気持ちでいっぱいになりました。ですがご家族から、私が撮影した写真が「笑顔でとても良い写真なので、ぜひ遺影に使わせてもらいたい」との申し出をいただいたこともあり、自分なりに良い仕事ができたのかもしれない、そして記者の仕事は少なからずお話をお聞きした人の人生の一部分に関わることなんだなと、少し複雑な気持ちにもなりました。

最高齢となった感想をお聞きした際、「なんてことはない。ただ夢中で生きてきただけだよ」と笑いながら話してくれたことが印象に残っています。「生きること」に夢中になれる、なんとも素敵な言葉です。私たちが住む北海道の礎を築いてくれたことに感謝と哀悼の意を込めて、心からご冥福をお祈りします。

広告部 佐々木

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